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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　会報誌　平成21年8月号掲載
第32話　かかりつけのお医者様

　祖母にはかかりつけのお医者様がいます。平成17年からは２代目の先生です。はっきりとどこか内臓が悪いわけではないですが、高齢でもあるので心臓や肺の機能は確実に落ちています。月に１回、我が家に看護師の方と一緒に訪問してくださいます。普通、お医者さんが家に来るとなると、いつも以上に元気な様子を見せ、「先生、今のところ調子は良いようです。家族にも迷惑かけていません」と、聞いている家族がのけぞるような発言をするものです。

我が家のばばも数年前までは、先生が来る時にはいつものようなぶつくれ顔（我が家ではこう呼びます）ではなく、笑顔で上品なおばあさんを演じていました（見ている母もびっくり！）。最近のおばば様ときたら、たいていが『グーグー、スースー』と寝ているようです。起こしても全く起きない時もあるようで、先生も困っているのではないでしょうか？（一番焦るのは母親のようですが）しかし、そのような姿のばばを見ても、先生はしっかりと診察し、一応反応がなくても声はかけてくれるそうです（すみません）。どんなに声をかけてもらっても、ばばの返事はグーかスーの寝息だけ、という光景は、先生には申し訳ないですが、想像すると笑えます。傍で見ている母にとっては、心臓に悪い光景とも思いますが。

　かかりつけのお医者様が毎月定期的に来ていただけるので、我が家は非常に安心です。先日も発熱のため調子が悪くなり、そろそろお迎えか・・・・？とも考えてしまう時がありました。ビタミン剤やカルシウム剤を常備薬としていますが、今回は先生から抗生薬をいただき、服用しました。先生もちょっと危ないかも? と感じられたのか、往診していただいた後日に、「大丈夫でしたか？」とわざわざ連絡をいただきました。ありがたい。

確かに食事もままならず、ぐったりとしている日々が続いていたので、看ている母親も気が気でなかったようです。その後は薬の効果もあり、今では何ら問題もなかったかのように、グースー寝息をかいて寝ていますし、ご飯もよく食べます。

　80歳、90歳の方でも内臓はどこも悪くなく、医者にはめったに行かない人はいると思います。確かに確実に病気がなければ病院にはかかることはありません。ただし、若い頃と違って、年々身体の調子も落ちていくのが現実です。自分の健康状態を見てもらい、知っておいてもらえるお医者様を持つことは大切だと感じています。

ばばのように動けない状態になれば、訪問も行う病院もあります。我が家に来てくださる先生は、ばばが居なくなっても我が家のかかりつけ医でいてもらわないと困ります。そのためにもばばにはもっと愛想よく振舞って欲しいのですが・・・・。

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