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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　会報誌　平成２２年４月号掲載
第40話　さあ大変だ！！

　この日記を書く日が近づいたある日、ばばの身体に異変が起きました。

前日までは、一人が支えて一緒にトイレに行けていたのですが、ある日から一人の介護者のみではトイレに行って用を足すことはできなくなりました。というのもどうも左腕に全く力が入らず、両足も膝から下がだらりとして立つことさえも危ういのです。ましてや椅子に座らせると、左側に傾いてしまい自分で座った姿勢を保つこともできなくなっていました。本当に急に起きたことなので、家族は何が起きたのかさっぱりわからないまま、しかし毎日の生活は繰り返しあるため、いつも通りの時間にトイレに連れて行きます。

　異変が起きた当日、かかりつけのお医者様が自宅にかけつけてくれました。ちょうど母親が一人でトイレに連れて行っていたのですが、どうにも一人では、便器に座らせて下着を脱がせることができず、「先生！こっちに来てください！！」と叫んだようです。その日から、必ず２人の手が必要になりました。

　ばばの場合、施設に入れることは短期間であっても納得してもらえません。というより母もそうすることは望んでいません。結果として、いつもお願いしているヘルパーさんの回数を増やしてもらうことになりました。

ばばの場合、とえりあえず他人の手を借りるのはトイレに関してだけなので、朝は私と妹の見事な連携プレーで乗り切り、母親しかいない昼間だけはどなたかのお手伝いが必要になります。夜はまた私や妹がいるので、どうにか乗り切れるという具合。さっそくケアマネジャーさんが調整してくださり、毎日、日中どなたかのお手伝いをいただけるようになりました。また、トイレまで連れて行くことは、今のばばの状態から非常に無理があるため、ポータブルトイレ（室内に置くトイレ）を購入し、ベッドの横でトイレをする状況になりました。

　いったいばばに何が起きたのか？左半身が麻痺してしまったのではと考え、脳梗塞を疑いました。結果ははっきりしていません。右膝は、水がたまったように膨らんできています。少しでも動かしたり起こそうとすると「痛い！痛い！」と大声で叫びます。叫んでも痛いのは仕方ないので、私も「今から痛いけど我慢してね」と言いながら、一緒に痛い痛いと言って起こします。

どんなに苦痛なトイレであっても、決してトイレ以外では排泄しない（我慢する）ため、こちらもどんな状況であってもトイレという場所で排泄をさせないといけません。当初数日はご飯も食べることができず、風邪を引いていたこともあり、薬の処方とゼリー状の栄養補給をしていました。徐々に普通の食事を介助付きではありますが、食べるようになってきました。左手は、当初握ることはできなかったのですが、徐々に服や物をぎゅっと握れるようにはなってきました。

　しかし、人を一人看ていくというのは何と手間のかかることなのでしょう
か！かかりつけのお医者様やケアマネジャーさん、ヘルパーさんがいなければ、我が家の生活は成り立ってはいなかったでしょう。助けていただいている皆様に感謝です。しかし、いったいこの状況はいつまで続くのか、先の全く見えない長いトンネルの中にいるようです。

昨日は、ご飯を食べた後、ばばは入れ歯を口の中で動かしたせいか、妹曰く「さんまになってるよ！！（注お笑いさんの口元を想像してくださ）」と、入れ歯が口の中で外れてふがふがしていました。（危うく飲み込むところでした）。いやはやいつまで続くのか・・・・全く・・・・（苦笑）
　

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