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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　会報誌　平成２１年１１月号掲載
第35話　いたちごっこの日々

　｢また！寝ながらご飯食べて！！（怒）」母の大声が家中に響いています。案の定、おばば様は、私の母親（ばばから見ると娘）に、布団の中に隠した朝食の残り（トーストしてハムを挟んだパン）を見つかったようです。「ご飯食べる時は座って食べるように言ってるでしょう！！（怒）」大声は続きます。恐る恐る見てみると、母の言うことが聞こえるのか聞こえないのか、分かっているのか、分からないふりをしているのか、分からないのか、表情も変えずに（多少ふくれた様子はある）無反応な様子のばば様。「きっとまた同じ事をするよ。あきらめたら？」と言う私に、「何回言っても言うこと聞かないし、あんなことする人ではなかった。注意は必要です！」と言う母。

続いて、着替えの話。「また！寝る時間なんだから、きちんと寝巻きに着替えて寝て下さい！！（怒）」母親の大きな声が響きます。私も、ばばがまだ寝巻きに着替えていないことに気づいていたものの、声をかけるのはめんどくさいなと、思っていたのです・・・・・。やはりここでもばばの表情はあまり変わらない様子。これでは余計に母がヒートアップするのではないか？

結局母親が着替えを手伝い無事解決？

　さらに続いて、起き上がる力が低下したばばは、最近自分一人で起き上がることができなくなりつつあります。「起こして～」と弱弱しい声で言うのですが、一方でご飯を食べるときは一人でしっかり起きていることもあります。母曰く「甘えている！甘やかしてはだめ！（怒）」。食事を食べる時も同じ。誰かが口まで運ばないと、自分の好きな物しか食べません（例えば煮豆とご飯だけしか食べない）。これもまた母上を怒らせる原因ではあります。

　年々弱くなるばば。一方でどこまでが本当にできなくなってきているのか、できるのに甘えているのか、めんどくさくなっているのか、本当のばばの状態が分かりません。確かにボタンをかけるときは、どんなに時間がかかっても根気強く行います。やれば出来ることはけっこうあります。しかし、人はどうしても楽な方にいきがちです。きっとばばにも同じ気持ちはあると思います。このようなばばの様子を一番理解しているのは、日々ばばと戦っているうちの母親です。これからもいたちごっこは続くでしょう。少しずつ本当にできなくなってくる割合が増えると思うのですが。
　

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